2016年6月8日水曜日

指導医より

若い先生方にひと言。というか、僕は、僕も十分若い先生なはずだと思っていますが…。
今高みにいる必要はない、今、すくすくと育っていなくても良い、育とうともがいていることが大切だと思うのです。
多くの若い先生方は、新しい職場にやってくると、まず背伸びをしたくなるものですが、背伸びの化けの皮なんぞ、すぐにはがれてしまうものです。かりに、本当に高い実力を持っているのだとしたら、それはそれで味気ないものです。というのも、教える人間からすれば、教える余地のない完璧な弟子なぞ、教え甲斐がないものだからです。
いっぽう、自分はうまくやっていけるだろうかと怯えている人もいます。
でもそれもどうでも良いことです。むしろ、今皆さんが白紙の状態なら、それはそれで楽しみでもあります。なぜなら、白紙だからこそ、これから自由な絵が描けるのですから。
今、高みに立っていることが重要なのではなく、これから高みに登ることの方が大切です。
そして、日々進歩していることが大切なのだとすら言いたくはない。それでは近視眼的に過ぎる。人は毎日機械のように進歩できるものではない。全く進歩しない10年間の後の1年間に、爆発的な進歩を遂げる人もたくさんいるのだから。
大切なことは、いつも進歩しなければ、と思い続けることではないでしょうか。そうすればいつかやってくるかも知れない大きな波を見逃すことなく、そいつに乗ることができる。
地表に落ちた種は、芽が出たのはすぐ見えるかもしれませんが、とても枯れやすい。いっぽう、地中にしっかり埋められた種は、すぐに地上に芽が出るわけではない。でも芽が出た時には、強靭な根を張っているものです。
どうか焦ることなく、誠実に日々を研鑽したいものです。

上都賀総合病院
リウマチ膠原病内科 花岡亮輔

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